第18話

「ごめん。もうすぐ授業が終わっちゃうね」


「え、嘘?」




そう言われて時計を見れば次の授業開始まで残り10分しかない。



いつの間にか随分話し込んでいたらしい。




お盆の上にはまだ手づかずのデザートのプリン。



食べようと思って買ったけど、お腹もいっぱいだし、時間もない。




「ね、これ要らない?」


「え、貰ってもいいの?」


「うん。もう食べれないし」



キョトンとした顔を向けられ、おやつにしようと思ってたプリンをクゲ君にあげた。



素直に「ありがとう」と言って喜ぶクゲ君。



授業に持っていくのもあれだし、助かった。


そんな気持ちでいっぱい。




「ごめん。先に行くね」


「うん。またね」



ホッとした気持ちで食器を下げようと急いで立ち上がる。



お盆を持って振り向くと、食堂に居た生徒の大半が強張った顔で私を見ていた。

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