第3話

「ね?大丈夫っしょ」


「うん」


「朝までファンと遊んでたって噂だし〜。このまま夜まで起きないかもよ」




クスクスとバカにするように笑いながら、マキちゃんはすっかり冷めてしまったコロッケを箸で突いた。




友達が多いマキちゃんは情報通。


あっちこっちからクゲ君の噂を仕入れては私に話してる。




「バンドマンだっけ?」


「そー。ボーカル」


「あぁ、ぽいね」


「しかも結構人気らしくってぇ。ライブはいつも超満員。近々CDも出すんだって」


「へぇー。凄い」


「あと、副業でホストもやってるらしい」


「えー?学校もあるのにタフだね」




やっと食べ始めたマキちゃんにペースを合わせつつ、2人でコソコソと噂話。



何だかなー。とちょっと罪悪感はあるけど、軽く感覚が麻痺るくらいには周りの生徒もクゲ君の噂を話してる。

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