第60話

落胆しながら教室のドアを開けたら……




「キャー!王子ー!」



「うぉーっ!篠田ー!」




入った瞬間にクラスメートに取り囲まれてしまった。




「篠田君可愛いすぎ~」




「お前、本当は女だろ?なぁ、女だって言ってくれよ!!」




みんな狼狽える俺なんてまるで無視で口々に好き放題言ってくる。




腕とか引っ張られて痛い。




可愛いとか女の子みたいだって言われて、ちょっとショックだ。




いや、メイド服なんか着た俺が悪いんだけど……。




祐希には見られたくないな……。




「……篠田君。ちょっと来てくれないかしら?」




掴まれていた腕を剥がして、苦笑いを浮かべてたら、佐々木さんに手招きをされた。




物凄く冷たい顔で。

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