第89話

いつものカフェに行くとマスターが驚いていた。




この時間に来ることなんて初めてだものね。




店内にはお客さんが少なくて、マスターは笑顔でいつもの席に通してくれた。




通い慣れたこのお店も今日はなんだか新鮮に感じる。




カフェラテを頼んで一息ついた頃、お店の入り口についているベルが鳴った。




マスターが野太い声でお客さんを出迎えてる。




やっぱりこのお店は居心地がいいな…………。




目の前にあるお花屋さんのお花が綺麗だし




落ち着いた雰囲気で心が安らぐ。




少しうとうとしていたら肩をトントンと叩かれた。




「あ、マスター?ごめんなさい。少し寝不足気味で……」




慌てて顔を上げた私は立っていた人を見て固まってしまった。

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