第七章 気持ち
第87話
篠田君と公園で別れて帰宅したら珍しくママが家にいた。
「珍しいわね。この時間に家にいるの。」
鏡台に向かって化粧をしていたママはチラっと私を見て小さく笑った。
「すぐに出て行くけどね。」
素っ気なくそう言ってまた化粧を始める。
「仕事忙がしいのね。パパもママも。」
「そうよ。パパもママも忙がしいの。」
ママはこちらを見向きもしないで応えた。
「ふーん。」
お互い忙がしいのね。
娘のことなんて気に出来ないくらい。
息が詰まる。
私はママがいる部屋から出て自分の部屋に戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます