第83話

「全然理解出来ないんだけど。女の子も女も同じじゃない。」




篠田君は笑うのを辞めて私を真っ直ぐに見つめてくる。




「同じじゃないよ。世界中にいる女の子の中で、女として見れるのは祐希だけなんだ。」




篠田君は少し目を伏せてサラっと言った。




「だから……どーゆー意味?」




「触れたくなるのも、愛せるのも祐希だけってこと……。」




風で落ち葉が舞う中、篠田君は切なそうに笑った。




「つまり、1人の女として好きだってこと?」




「そう。もうずっと昔からね。祐希以外は見れない……。この先も……。」




2人は……すれ違ってただけなのね。




「どうして祐希に好きだって言わないの?」




言えば2人とも幸せになれるのに。

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