第70話

中山は小さくため息をつきながらジュースを一気に飲み干した。




「りえこちゃんって鋭そうに見えて鈍感なんだな。」




クスクス笑う中山に苛立ってくる。




「そんなこと……!」




「まず第1に王子は祐希ちゃんばっか見てた。」




私の否定の言葉を遮って中山が淡々と話し出す。




「え?」




確かに見てたわね。




じーっと。




でも、それはキスマークを見てただけじゃないの……?




「第2に王子は祐希ちゃん以外の女の子の名前を名字でしか呼ばない。」




「…………。」




言われてみれば……。




「第3にヤキモチを妬いていた。」




「あなたね、ヤキモチかはわからないでしょ?」




「第4に好きな女がいるって話をした時に祐希ちゃんの顔をチラチラ見てた。」




私の発言なんて無視をして中山は続けて淡々と話を続ける。

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