第36話

「里恵子ちゃん……?」




「裕也さんの気持ちはわかりましたから。」




「ちょっと待っ………」




「今までごめんなさい。」




私はこれ以上裕也さんと同じ空間でいるのに堪えきれなくなってリビングを飛び出した。




階段を一気にかけ上って深呼吸をする。




息を整えるためと涙を堪えるために。




こんなにあっさりと振られるなんて。




バカ!バカ!バカ!




裕也さんのバカ………。




ずっと好きだったのに。




運命の人だなんて柄にもなく思っていた自分が恥ずかしい。




そんなことあるわけないのに。

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