偽る心、壊れた関係

第1話

「ほら、たっちゃん見て!パズルが完成したよ」


「おー!すげー!」




……子供の頃の温かな思い出が記憶の片隅で揺れる。




いや、温かくはないか。



温かいどころか苦い思い出だ。




あの後、達哉たつやは完成させたパズルをばら撒いた。



当たり前の如く泣き喚いた私。




達哉の当時の心境はわからない。




ただ1つだけわかっているのは、




「お前なんて壊れちまえ」




今現在、高校生になった達哉に熱い熱をぶつけられているってことだけ。



ムチャクチャに暴れ回って噛みつかれそうな勢いだ。




縛られた腕が痛い。





「い、やっ……」


「嫌?  “いい” の間違いじゃねぇの?」




はっと小さく笑って自信満々に言い切る達哉に心が折れる。




何を言われてもヤメない。



強い眼差しはそう言っているみたいだ。





「もうっ、やめ……」


「うるせぇな。お前に拒否権なんかねぇし」




願いは聞き入れて貰えず、暴れる動きが速まってさらに深く繋がるカラダ。




「……玩具のくせに」




達哉が言った言葉に胸がギュッと締め付けられる。




制止する暇もなくカラダは徐々に追い詰められていく。



頭は眩い白で埋め尽くされ、心は真っ黒な暗闇に落ちる。




満足そうに笑みを浮かべる達哉が心の底から憎い。




「逃がさねぇよ。奈津美なつみ




強い意志を込めて吐き捨てられた言葉。




こんなはずじゃなかったのに。

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