赤ずきんは狼と出会った

イレギュラーな寄り道

第1話

通りに面するカフェ『ブロッサム』。

ガラス張りに面した席で頬杖着くあたしは


氷が溶けて味のだれたアイスコーヒーをストローで小さく吸い込む。


シロップを入れたは良いが、最初の方でそれを享受した所為で、もう苦味しか感じない。




8月手前の歩くだけで汗をかく熱帯夜の21時。


学校が無いから12時間は外に居る事になる。


それでも帰らないのはあたしが弱いのか、それとも当然の成り行きなのか。



じろじろと歩道から値踏みするような中年サラリーマンの視線にも、もう慣れた。


もう半年この生活を続けているから。

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