ミー

第5話

「ねーねー、陽ちゃん。抱っこして」



カーペットの上に寝転がる陽ちゃんにゴロゴロ猫みたいに甘える。



7歳上の陽ちゃんは本当に狡い男。


他にも彼女が居るのに、私には他の男と付き合っちゃダメって言う。



誰にも取られたくないって必死。


私が陽ちゃんと初めて会った日もそう。



あの手この手を使って熱心に口説いてきた。


“陽ちゃん”って呼んだら直ぐに飛んでくるくらい。



私の存在を知った他の彼女達はそりゃもうお怒り。


私と陽ちゃんを必死に別れさせようとしてる。



でも、何をされたって知らんぷり。


私は他の彼女達みたいに闘争心は持っていない。



時々、こうやって一緒に居られればそれでいいの。



陽ちゃんもそれを分かってるから私に1番甘える。



今だって私のお腹に手を回して肩に頬をスリスリ。


子供みたいだぁ。可愛い。

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