第4話

その度にショックで泣く。



自分だけのモノにならないって分かってるから余計に腹が立つ。


陽の1番になりたい。


いや、あたしだけの陽になって欲しい。



他の女なんか要らないの。



「もう別れる!」


「嫌だ」


「じゃあ、他の女と別れて」


「無理。全員俺のだから」


「最低」


「うん。知ってる」




近くにあったクッションを陽に向かって投げる。


何度別れると言っても陽は別れてくれない。



1度本気で別れようとしたら紐で繋がれて監禁された。


1番じゃなくても絶対にあたしを手放す気はないらしい。



「許してよ…」



あまりにも怒ってた所為か、陽は泣きそうな顔であたしをベッドに呼び寄せた。


優しくて大好きな声。


狡い。




「愛してる?」


「愛してるよ」


「あたしだけ?」


「うん」




本当だけど、嘘の言葉を吐かれて胸が苦しくなる。



それでも素直に陽の隣に行くあたし。


優しいキスをされてコロっと機嫌が良くなる。


我ながら単純。


チョロイ。

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