第10話

「今日、あたし真兄との約束の時間に遅れたじゃん?」



「あぁ、それが?」



「あたし、真兄が好きすぎて眠れないの。一晩中、真兄のことばかり考えてる。そのせいで、朝方に寝ちゃって今日も寝坊した」




勢いに任せて告白した。



ちょっと回りくどいけど。




「何だよ、それ。俺のせいかよ。ったく。おま……は?好き!?」




冷たい眼差しを私に向けていた真兄は、私の告白に気付いて目を見開きながら驚く。




「うん。好き……」



「なんだよ、それ」




そして、言葉とは裏腹にあたしを優しく抱き締めてきた。

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