第6話

「やっ、ダメ!!真兄……」




最大限に出せる色っぽい声を出しながら、あたしは真兄を上目使いで見上げた。




“これであたしのことを少しは意識するがいい”



そう思った。




真兄は技をかけるのを止めて、あたしを黙って見つめてくる。



真剣な顔であたしを見つめる真兄に、ドキっと胸が高鳴った。




「変な声出してんじゃねーっ!!」



「痛っ、わああ!ちょっと……ギブ!ギブ……だってばっ!」




けど、あたしの企みは見事に打ち砕かれ、真兄に四の字固めをくらう。




ギリギリ締め付けられて骨が軋んでいる気がする。




かなり痛いし!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る