第4話
その真兄の刺々しい雰囲気に背筋が凍る。
逃げようと後退りをしたら、トンと背中に硬い物が当たった。
「げ……テレビ……」
振り返って見てみれば、テレビが行く手を阻んでいた。
このテレビめ……!
なんて、悪態をついても仕方がない。
ふと、真っ黒な画面に目を向けると真兄が楽しそうに顔を歪ませて笑っている姿が映っていた。
指と首の関節をポキポキと鳴らしながら、あたしにゆっくり近付いてくる。
その姿を見て心底げんなりした。
見覚えのあるこのポージング。
これはきっと、あれをされてしまうに違いない。
「まさか……あれ?」
体をなるべく縮こませて、あたしは真兄にそう尋ねた。
「あぁ。そのまさか、だ」
真兄は低く呟き、ニヤリと笑う。
その真兄の笑顔にあたしの顔は逆にひきつった。
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