第2話

モノトーンな色の家具で統一された、シンプルな真兄の部屋の中。




あたしが中学生の時に持ち込んだ赤色の座椅子だけが、異様に目立つ。



その座椅子の上に座って、シャーペンを指でクルクル回すあたしに真兄は冷たい眼差しを向けてくる。



刺々しい言葉を浴びせられるのも秒読み3秒前かも知れない。




「真兄、昨日の学園ドラマは見た?秀才な王子様と平凡な女の子が恋に落ちてね……」



「興味ない」




気まずい空気を打破しようとあたしが持ち掛けた話を真兄はあっさりと終わらせる。




ここ最近、本当に冷たい。



前まで優しかったのに。




でも、冷たい言葉を浴びせられても別にいい。




あたし、Sっ気のある人が好きだし。



イニシャルSの人が好きだし。




真兄が好き……だし。

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