第2話

今日、妻が死んだ。



まだ30歳。



事故だった。



いつも優しくて温かい笑顔を向けてくれた君。



料理が上手だった君。



健気に尽くしてくれた君。



そんな君に俺は何もしてやれなかった。



愛の言葉を囁いてやらなかった。



どこかに出掛けた思い出も数少ない。



いつも愛情を注いでくれる君に素っ気なかった俺。



こんなことなら、もっと愛を囁いてやれば良かった。



いろんなところに連れてってやれば良かった。



もっと優しくしてやれば良かった。



愛してると言いたい。



でも、君にこの声はもう届かない。

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