「何怒ってんだよ」

「あなたが篠田さんの話ばかりするからよ」

「あー…、そうか。悪い」

「別にいいけど。あなた、ちゃんと吹っ切れたの？」

「吹っ切れたって何が？」

「篠田さんのことよ」

「いやいや。そもそも始まってすらねぇし」

何でもないことのようにそう言って、ショウは再び先々と前を歩いていく。

嘘つき。

今、微妙な顔をしたでしょう。

浮気とまでは言わないけど、幼心を思い出して複雑な気持ちになってたことくらい分かってるのよ。

はぁー。男ってどうしてこう……。

もう辞めようかしら。

ショウの彼女なんて。　

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