第44話

日が落ちきった頃。



カーペットの上でナオに腕枕をして貰いながらゴロゴロと甘える。



ナオもナオで私の髪を撫でて機嫌が良さそう。



ふふっ。やばい。幸せ……。




幸せ気分に浸りつつ、暫くイチャイチャしてたら『晩ご飯出来たわよー』とオバサンに呼ばれた。



『わかったー!』と返事をして起き上がる。





「ナオ、オバサンが呼んでるよ?」



「うん」




なかなか起き上がろうとしないナオのお腹に手を当てて体を揺らす。



ぼーっと天井を見つめていたナオは、私の呼び掛けに小さく返事をすると、私を抱き寄せて小さくため息をついた。




「カンナ」



「なに?」



「……ご飯食べたら帰る?」




自分から聞いてきたくせに、ナオは寂しそうに顔を曇らせる。



……そんな表情をされたら、帰りたくなくなっちゃうじゃない。

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