第10話副将戦
副将戦はこれまでの代表戦とは比べ物にならない歓声が上がっていた。それは本来であれば大将戦であたるはずの2人が副将戦で当たるのだ、歓声が上がるはずだ。
聖陣営の代表を努めるのがミハル。魔陣営の代表を努めるのがオロチ。
2人は対照的な見た目であった。オロチは細く、筋肉もそれ程有るようには見えないが、何故か強さかを感じる。
それに比べて、ミハルは美しいと言ってもいい、肉体美で傷一つ無い、張りのある、強さを想像できる。
「オロチ、決めさせてもらうぞ」
ミハルの台詞にオロチは鼻で笑った。
「俺との決着を避けた。お前では俺には勝てないよ」
オロチの言葉にミハルは歯ぎしりをした。
試合がどう進むか分からないが、これまでの流れでは、オロチが゛参った゛をする事は無いだろう。
オロチは試合の合図で予備動作無しにミハルに飛びかかった。オロチの拳はミハルの身体を捉えることは出来ない。
「どうした。それで、どうやって私に勝と言うのだ」
ミハルは余裕でオロチの間合いに入ると、オロチに一撃を入れた。
オロチは打撃の勢いを後ろに流すと、距離を取った。
「どうした。口ほどじゃないな」
「最初から本気出したら、お前の立場ってものもあるからだろ」
この2人、口でも負けず嫌いのようだ?
ミハルは両手で大きく円を描くように気をためた。そして、一気に放った。
「ドラゴンドライブ」
ミハルが放った一撃はオロチに直撃したが、ダメージが有ったようには感じられないが、物凄い威力なのは誰の目にも明らかであった。
何度かミハルのドラゴンドライブをオロチは受けたが、ダメージが有るようには見えない。
「どうした。それでは、俺には利かないぞ」
「そのようだな、だが、私のドラゴンドライブはこんなものではないぞ」
「ほ~なら試して見ろ」
その言葉に合わせるように、ミハルはドラゴンドライブを3段がけし、必殺の一撃を放った。
「ギガドラゴンドライブ」
ドラゴンドライブの比では無い一撃である。どう見ても、オロチが無事には思えない。
だれもがミハルの勝利を予想したらとき、土煙の中から別人のようなオロチが現れた。
その姿はまるで天使のようだ、3対の白い翼は先程までのオロチからは思いもよらない。魔の部族とは思えない姿、やはり天使なのだろう。
そんなオロチにミハルはギガドラゴンドライブを連発したが、オロチの白き翼を焼くことは出来なかった。
「終わりだ」
そう言うと、オロチは一気に距離を積めると蹴りの一撃でミハルの意識を刈り取った。
何故、魔の陣営のオロチが天使なのか、それは皆知っているらしい。
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