第6話先鋒戦

それは先鋒戦の名に恥じない戦いになった。

魔の組のタマと聖の組のタダマルの戦いであった。タマは見た目の通り、スピード重視であったが、タダマルも意外にも、機動力を生かす戦いを得意としていた。

タマは目にも止まらない速度で闘技場を駆け回った。だが、その攻撃はタダマルには通じていなかった。大きな身体を更に膨らませ、タマの攻撃を軽やかにかわしながら、手にした鉈で切りかかり、タマもすんでのところでかわしている。

タマは小さな爆薬をタダマルに投げつけるが、膨らんだタダマルの肉体は爆薬の威力を消していた

「なんで利かないのよ。気持ち悪いデブね」

タダマルはいやらしく笑い、

「失礼なお嬢さんだ。今度はこちらの番ですよ」

タダマルは更に息を吸い込むと、一気に吐き出し、タマに叩きつけ、タマの体勢を崩させると、距離を積め、鉈を振りかざし一閃させた。

タダマルの一撃でタマは地に伏せてしまった。


タマを見下ろしながら、タダマルは更に笑顔になり、

「別に貴方が弱い訳ではないですよ。まだまだ幼いだけですよ。ですが、これではラグナロクの勝利は私達のものですがね」


そう言うと、タダマルは自陣に戻っていった。

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