第4話ラグナロク

ヤナギは何も無かったように建物に入っていった。

「どうだった?」

ヤナギと共にマヤを見に行った4人の1人が声をかけてきた。

他の人間より、キレイなツナギを着ていた。その青年はヤナギの答えを求めていた。

「向こうはやはり、ロレーヌが来ていたよ。あの少年はマヤと名乗ったが、それ以上は謎だよ。」

建物の中に居るのは、中年と言っていい男とあの木の上に居た4人と4人の中の女性とよく似た女性が座っていた。

「オロチ!どうする?」

ヤナギは5人の中でも背も高く、イケメンに声をかけた。

オロチと呼ばれた男性は少し考え込んように顎に指を当てると考えがまとまったように、顔を上げると中年の男に顔を向けると口を開いた。

「特に何もしなくて良いだろ」

「オロチ」

「オロチ」

双子らしい、2人がタイミングよく口を開いた。

「もし、あの少年が私と考えたとおりなら、どうすることも出来ないはず、そうですよね。父上」

オロチは父親である。中年の男を見つめた。

「そうだな。それにラグナロクまで、もう3日だ。何も出来んよ」

オロチの父は力なく笑った。

それを見た双子も笑った。

1人だけ、口を開かない青年だけは面白く無さそうな顔をしていた。


マヤが監獄島に現れてから、3日たつが特に何も起きず、時間だけが過ぎていった。

そしてラグナロクの朝が静かに開けた。

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