第21話

「えーっと…。忙しい?」


「なんで?」


「まだ一緒に居たいな、と思って…」


「ふーん」


「ダメ?」


「いや。いいよ。どっか出掛けるか」


「え、いいの?」


「あぁ。別に予定もないし」





てっきり拒否られると思っていたのに普通に頷かれてしまった。


思わず目が点。



信じられなくて固まった私に蓮くんは「なんで驚いてんの?」と鼻で小さく笑った。



相変わらず背中は向けられたけど、着替えに帰るから付いて来いと急かされ慌てて駆け寄る。




「本当にいいの?」


「だって一緒に居たいんだろ?」


「うん」


「だったら、まぁ、別にいいんじゃねーの」




ポチっとエレベーターのボタンを押し、蓮くんは私に背中を向けたまま少しぶっきらぼうに言った。



「そっか」なんて言葉じゃ普通に返したけど、何だか落ち着かない。


ソワソワしてしまう。

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