第15話

「彼女は本当に抜けた人でな」


「おバカさんだったの?」


「そうじゃ。同情を買うような言葉言うと直ぐに騙されよった」


「えー、私と一緒だね」


「ほう。お嬢さんも騙されやすいのかね?」


「うん」


「それはそれは。気を付けなければいけないのぅ…」


「……おいっ!」




話し始めて少し時間が経った頃。思い出を語るお爺さんの声を見知った男の子が遮る。



振り返ったら蓮くんが息を切らして立っていた。



部屋着だし、家から走ってきたっぽい。それも余程、急いでたのかサンダルのまま。




「蓮くん?どうしたの?」


「はぁ?お前はバカか」


「え?」


「お人好しなのもいい加減にしろ」




キョトンと首を傾げた私に蓮くんは不満そうな表情を向けてくる。



どうやら怒っているらしい。


お説教を始めようとしている。



しかし、思うことがあったみたいで直ぐに視線を私からお爺さんに移した。

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