第10話

それにまぁ…、別にいいや。


形はどうあろうと蓮くんは私を必要に思ってくれているから。



居なくなったら、きっと私以上に落ち込むし、それこそ家から出て来なくなると思う。




だって実際そうだった。


遠い昔。まだ身長差もそんなに無かった頃。蓮くんと1度だけ距離を置いたことがある。


あまりにも冷たいから本気で嫌われているのかなと思って。とにかく言われた通り近寄らなかったし、話し掛けなかった。




そしたら蓮くんは落ち込んでしょげて笑わなくなって家から全然出て来なくなった。


学校にも来なくてグレたのかも知れないと噂になるくらい。パッタリ姿を見掛けなくなった。

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