第52話

智明、不機嫌だったな……。




やっぱり心のどこかでは、私が智明を好きだと思っていたのかも知れない。




智明には……数え切れないほど好きって言い続けてこられた。




どれだけ冷たい態度をとっても冷たい言葉を浴びせても、懲りずにずーっと。




でも、もう止めて欲しい。




私のことを好きでいるのは。




私が智明から離れずにいるからダメなのかな?




いつかは……って気持ちがあるのかもしれない。




でも、私は智明の気持ちには応えられないんだ。



やっぱり智明は幼なじみとしてしか見れないから。




今まで幼なじみで傍にいるのが当たり前って感じだった。



これからもそうだと思ってた。




このままでいたいとも思う。




でも、ダメだ。気持ちに応えられないのに、智明の傍にいるのも変に期待させるのも。




もう離れよう。智明と──。

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