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「ごめんなさい」


 けれど驚いたのも無理はない。スターレイルエアはたしか財閥系だったはず。

 ……思い出した。鳴宮財閥だ。琉輝さんの名字も鳴宮なのに、今になって気づく自分の鈍感さに心底あきれる。


「謝らなくていいよ。伝えてなかった俺が悪い」

「いえ……」

「翠々とはただの男と女でいたかったんだ」


 意味深な言葉を聞き、ドキンと大きく心臓が跳ねた。

 二年半前にアメリカで初めて見たときもそうだったけれど、にこりと笑った彼の顔は本当に綺麗で魅了される。


「ちょっと待ってくださいね」


 食事中に失礼なのは重々承知だったが、直接あれこれ質問攻めにするのを躊躇した私はバッグからスマホを取り出してスターレイルエアホールディングスを検索した。

 もちろんすぐにヒットし、そこには概説や歴史が書かれてあった。

 創業者は旧華族だった侯爵の鳴宮松太郎しょうたろう氏で、前身は“鳴宮飛行機株式会社”という社名だったらしい。

 第二次世界大戦終戦までは東洋最大、世界有数の航空機メーカーだったと記載されている。

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