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「食事しよう」
「私はいいですけど、琉輝さんはまだお仕事が……」
「今日はもう終わった」
それならいいのかと即座に納得したものの、ギュッと握られた手は放してもらえそうにないし、どこで食事をするのかも不明なままだ。
それでもなぜか私の心に不安はなく、スラリとスタイルのいい琉輝さんの隣を歩くだけで胸が高鳴った。
「ここもうちの系列のレストランなんだ」
琉輝さんが私を連れて入ったのは、ターミナルの一番奥にひっそりと佇む隠れ家的な店構えのイタリアンレストランだった。
店内はとてもスタイリッシュな空間が広がっていて、大きな窓からは滑走路が見える。
「急に来てすみません。借りてた上着を返したくて」
「こっちこそ会議だったからすぐに返事できなくて悪かった。ていうか、上着なんていつでもよかったのに」
自信が宿ったような余裕たっぷりの視線で射貫かれ、私は昔からこの
「あの……琉輝さん、いろいろと聞きたいことがあるんですけど」
景色のいいテーブル席に案内され、琉輝さんがスマートにオーダーしたスパークリングワインとカプレーゼが運ばれてきたところで私は彼にそっと問いかけた。
「琉輝さんは“社長”なんですか?」
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