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「メッセージもうれしいけど、琉輝さんの顔が見られて本当にうれしいです」
彼とは留学中に仲良くなったので、連絡先を交換してメッセージのやり取りを交わしていた。
時折日本に帰ってくることもあったので、そのときには会って食事をしたり。
こうして半年ぶりに対面をして存在を実感すると、彼への秘めた恋心が一気に加速し始める。
「あ! 私、カフェで支払いを済ませてなかった。戻らなきゃ」
テーブルの上に伝票が残っていた記憶はある。
どんなに好奇な目で見られようとも、最後に支払いをしなくてはいけなかったのに、私はそのまま出てきてしまったのだ。
ハッと気づいて立ち上がったが、隣にいる彼に腕を引かれて再びストンと椅子の上に落ち着いた。
「あそこはうちの系列のカフェだから。あとで俺が払っとく」
どういう意味なのかと考えていると、私の肩に掛けられた上着の左胸にキラリと光る社章が目に入った。
金属バッヂのデザインは誰もがよく知っているマークだ。
「琉輝さんが働いてる会社って、スターレイルだったんですか?」
スターレイルエアホールディングスは日本国内と世界各国を就航する日本の航空会社だ。
社名までは詳しく聞いていなかったものの、どうやら彼がアメリカで働いていた会社もスターレイルグループらしい。
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