第16話

「……嫌だ」



「……え?」




悠真がポツっと言葉を落とす。



否定的な言葉を述べられて、ドキッと心臓が音を立てる。




「……ペットは裏切らない。ペットは心変わりしない。ペットは一生俺を一途に愛してくれる。そう思ってたのに」




自嘲気味に笑って顔を伏せる悠真。



言っている意味がわからない。




「……何それ?」



「結局、離れていくならペットになんかしなかった」




薄暗い部屋の中、悠真が言った言葉が頭の中をグルグルと巡る。




「それって……」




どういう意味か、なんて説明されなくてもわかる。



悠真は……悠真は……。




「最後?笑わせるな」




私と同じ気持ちだった。

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