第11話
「……愛梨」
会社から少し離れたところで、ふいに名前を呼ばれた。
聞きたくてしょうがなかった、今最も会いたくなかった人の声。
「悠真……」
振り返って見てみれば、やっぱり悠真だった。
漆黒の髪と瞳に似合う、漆黒のストライプのスーツに身を包んだ悠真。
嫌になるくらい魅力的で胸がドキっとする。
紺色のネクタイなんか付けちゃって、悔しいくらいカッコイイ。
「寒いのに。もっと暖かい格好をしなよ」
悠真は心配そうな顔で、私の肩にスーツの上着を掛けてくれる。
そんな悠真の行動がいちいち私の心を揺さぶる。
「どう……したの?」
声を振り絞ってやっと聞けた。
顔は笑えていないと思うけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます