第4話

別に一方的に熱をぶつけられているわけじゃない。



私も悠真もお互いを欲していて、お互い合意の上での関係だ。



合致しないことは、ただ1つ。




「もっと鳴いてよ。ペットなら」




そこに愛が“ある”か“ない”かの違いだけ。




「悠真……っ」



「なに?欲しくなった?」




悠真は毎度私に確認をする。



合意の上での行為だと見せつけるように。




「俺が……欲しいの?」




いつも楽しそうにそう聞くんだ。



悲しげに眉を寄せて。




悠真の真意はわからない。



楽しいのか。悲しいのか。


嬉しいのか。辛いのか。



全くわからないし、悠真も何も言わない。




だから、この状況で私が出来ることなんて1つしかない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る