青色スターチス

始まり

■■■

テレビ番組を凝視する。

信じがたい話をするのに

それを聞く大人達はやけに

神妙な顔つきだった。





俺は熱いコーヒーが入ったカップを持ち

ずずず、音をたてて黒い液体を流し込む。





「まさかそんな」





他人事、そしてありえないと

そう笑う俺がここに居る。








濃い霧が立ち込めて

次に目を開いた時には別世界だったとか

それこそタイムスリップしていたとか




俺はそういう類が心底苦手だ。




絶対に信じられない。




それって小説や漫画の話だろと

持っていたカップを流し台へと滑らせた。









それが俺と弟と親父と母さんと

その他を含む全ての始まり。

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