*参考書を読んでるの!*

第87話




エスプレッソから出て、ほわほわとした気分に陥りつつ1人で家に帰ってきた。




今日1日で色々ありすぎて頭がパンクしそう。




軽く目眩を感じながら、洗面所で手を洗って家のリビンクのドアを開けたら……。




「オバさん!おかわり」



「俺も……」



「ちょっと待ってね?」




家のダイニングでナオとショウが晩御飯を食べていた。




ショウがいることとか、ナオが帰っていないこととか、疲れすぎて突っ込む気にすらならない。




もう早く寝ちゃおう。





「ただいま……」



「おかえり、カンナちゃん。ご飯食べるでしょ?」




ママがニッコリと微笑む。




ハンバーグの美味しそうな香りがダイニングいっぱいに漂っているのに、食欲が全く出てこない。




胸がモヤモヤとして体が気だるくて、失恋したときみたいだよ。

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