第79話

『え?今日面接をするの?ラフなお店なのネ』



「そうなの?初めてだからわかんないや」



『普通は後日とかだけど………まぁ、あのお店のオーナーは変わってるからネ。ふふっ』



「え?サナちゃんオーナーのことを知ってるの?」



『知らないわヨ。アヤトから聞いただけだから。あ、キャッチ入っちゃった。じゃあネ』



「あ、ちょっと……」




私が引き止める声も虚しく通話は切れてしまった。




サナちゃんってば何だかんだ言ってアヤトと仲がいいのかな?



『見るのも嫌。あんなチャラ男』って言ってるわりには、アヤトと話したって話をよく聞く気がする。




ま、いいや。今度聞いてみよう。




携帯を鞄に入れて、エスプレッソの自動ドアを通り抜けた。

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