第10話

キレるショウに怯えてたら、オジ様が私からショウを軽々と引き離してくれた。



オジ様に羽交い締めにされたショウは不満そうに私を睨む。



思わずショウから目を逸らす。




ちょっと気まずい。




少し罪悪感を感じながらも立ち上がったら、膝にキリっとした痛みが広がった。




うわぁ…。膝から血が出てる。



帰ったら消毒しなきゃ……。





「こいつは警察に突き出しといてやるからな。お嬢ちゃんはお帰り」




優しい口調で爽やかな笑顔を私に向けてくるオジ様。




「あ、はい。ありがとうございます」




そんなオジ様に軽く頭を下げて、自転車のカゴに入っていたケーキの箱を抱えた。



ショウには悪いけど、また殴られそうになったら今度は逃げ切れる自信がない。



ここはオジ様に任せた方がいいはず。




「ちょ、待て待て待て。おい、カンナ。冗談がきつすぎだろ」



「じゃあ、私は帰ります……」



「気を付けてね」




ヒラヒラと手を振るオジ様に今度は深く頭を下げて、私は家に向かって歩き出した──。

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