第9話

こうなったら……こうなったら仕方がないよね?



究極奥義を使うしかない。




「いやぁっ!!犯されるっ!!」




一か八か顔を両手で覆って大声で叫んでみた。



これなら誰かが助けてくれるかも知れない。





「……は?」




ショウの私の胸ぐらを掴む力が弱まる。



恐る恐る指の隙間からチラッとショウの顔を覗いて見たら、凄くビックリした顔をしていた。




「おい。君!何をしているんだ?その子から離れなさい!!」




突然背後から落ちてきた怒鳴り声にショウがビクッと体を震わせる。



私の読みは見事に当たり、近所の民家からヒーローが飛び出してきた。




推定60代くらいの白髪混じりの渋いオジ様。



状況が状況なだけに白馬に乗った王子様みたいにキラキラと輝いて見える。




「助けて下さい……」



「嘘ついてんじゃねぇ!てめぇ、いい加減にしとかねぇと本気で犯すぞっ!!」



「いやぁっ!!」




「コラ!早く離れなさい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る