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「バカみたい……っ」


 食べてもらえるわけがないのに、彼の大好物を並べて、あの頃みたいに笑い合いたいと待っていた私も。


 あの女に騙されている遼くんも、いつまでも偽って遼くんの隣にいるあの女も……。


 みーんなバカ。でも、一番バカなのは私。


 ちゃんと話せば分かってもらえるなんて思っていた、私が一番バカだね。



 すぐに料理や割れたお皿を片付けて、離婚届とボールペン、謝礼の入った紙袋を机の上に置いた。


 そして、彼がお風呂から出てくるのを待つことはせず、そのまま静かに自分の部屋に戻った。



 これで、遼くんに会うのはきっと最後。


 もう二度と会うことはないから安心して、あの子とお幸せにね。さようなら……




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