第6話
駅から大通りを歩いて、郵便局の次の小道を左に曲がる。
そこにはよく白猫がいて、行儀よく座っていたり、デロンと伸びて寝ていたり。
それを横目に歩くとすぐに、沙羅さんのカフェに到着する。
「さ~らさぁん」
ステンドグラスが小窓になった木製のドアを潜って声をかけると、長い黒髪を肩横で一つに括って清潔感のある木綿のエプロンをつけた綺麗な女性が微笑んでくれた。
「いらっしゃい。達樹ちゃん」
ランチタイム後のこの時間は、お客さんの数も少ない。
私はホッとしてカウンターに陣取る。
あんまり忙しいと申し訳ないから。
それについつい手伝っちゃって、沙羅さんに叱られてしまう。
オーダーメイドだという椅子は、一つ一つ形が違う。歪な肘掛けは、何とも言えない暖かな艶を放って、ちょうどしっくり腕に馴染む。
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