4月/出逢い

第1話

いつものようにアラームが鳴り、いつもの時間に起きる。

いつものように仕度をして、いつものように家を出る。


まだ眠いな。

昨日の酒、ちょっと残ってるな。

調子にのって、飲まなきゃ良かった。

いや、今更後悔しても仕方がないのだが。


私は佐藤涼。

年齢は25になった。

身長は170cm、体重はシークレット。

彼氏とは別れたばかり。

上京して、独り暮らしも7年くらいは経つな。

職業は高校の相談室の先生。

気ままに生活している。


私が勤める学校は女子高で、偏差値は中の中くらいだろうか。

学校までは、徒歩と電車で行っている。


服装はモノトーン系のカジュアルで、スカートは好きじゃないから履かない派。

靴もヒールよりはスニーカー派。

私服は基本ボーイッシュ。


髪は先日切ったばかりだ。

セミロングくらいはあった髪を、なんとなく切ってみた。

色はやや明るいライトブラウンにし、前髪は目に少しかかるくらい。

軽くアシメにしてもらった。


一応先生という立場だけれど、今行っている学校の規則は緩く、ピアス等のアクセサリーを着けていても、特に注意は受けない。

ので、好き勝手にアクセサリーを着けている。


右耳に1つ、左耳に2つピアスを着けて、左手の中指に指輪を1つ。

タトゥーを入れようかとも考えているが、いまいち踏ん切りがつかないのでまだ入れてはいない。


学校に近付くにつれ、生徒達が視界に入る。

楽しそうに友達と話ながら歩く子達や、スマホを弄りながら歩く子。

何処を見ても、やっぱり女子ばかりな訳で。


「あれ?佐藤ちゃん?

 髪切っちゃったの?

 イケメンになったね!」


生徒の1人が声をかけてきた。


「佐藤先生様とお呼び。

 てか、イケメンじゃないよ」


「佐藤ちゃんは髪が長いと美人で、髪が短いとイケメンになるんだね。

 目の保養になる~。

 うちの学校、格好いい人いないし~」


「勝手に保養にすんなって。

 ほれほれ、さっさと教室に行きな」


「は~い、じゃあね、佐藤ちゃん!」

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