第24話
ヤンキーズを睨みつつ……
「てんきゅー」
とりあえず、お礼?を……
面白いと言われたことにお礼ってどうよ?
「心がこもってねぇ」
「棒読み」
「適当!!」
バレた。
「……」
赤宮彩葉が表情を歪める。
いや、礼を言われてその表情ってどうよ?
「それよりも」
「それより……」
赤宮彩葉が更に表情を歪める。
何?
風磨が慰めるように赤宮彩葉の肩を叩く。
「焼き芋」
「あ」
「おお」
「忘れてた!!」
「焼き芋が待ってる。帰るぞ、ヤロウ共」
「焼き芋……。俺の告白は焼き芋に負けたのか……」
もう誰も赤宮彩葉の呟きには反応しない。
もう頭の中は焼き芋だけ。
「いい?最初に公園に着いた奴が、あの大きい焼き芋を食べれるってことで」
「おう」
「良いねぇ」
「負けねぇ!!」
あたし達四人は一列に並ぶ。
そして
「「「「GO!!!!」」」」
一斉に走り出した。
のだけど、赤宮彩葉はそこに留まったまま。
ふむ。
あたしは止まり、赤宮彩葉を見る。
「焼き芋、食べるんでしょ。来ないの?」
そしてそう言うと
「あーっ、クソッ。食うよ!!食う!!」
おおぅ……。
突然叫ぶなよ。
耳がキーンとしたわ。
ダッと走り出す赤宮彩葉。
ヤレヤ……
「あーーっ」
乗ってきた……乗ってきたチャリがない!!
雷斗ーーっ!!
呪ってや
「千円で乗っけてやろう」
「おおぅ!?」
風磨が居た。
待ってくれていたらしい。
「千円はぼったくりでしょーよ、五十円ね」
「値下げ過ぎだろ。運転するならいいが」
「よし」
「するんかい」
「走るよりマシ」
「なるほど」
こうしてあたしと風磨も公園に戻ったのだけど。
その際、楽々と走っている赤宮彩葉を追い抜いたのは言うまでもない。
「俺も乗っけろ……や」
「「…………」」
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