第74話

薄々勘づいてはいたよ、だってこいつ性欲に素直なんだもん。



それに散々生徒会として悩まされてきたんだから分かってはいたよ。






「はいはい。」





まぁ結局、惚れた私の負けなのだろう。



期待に満ち溢れた瞳と、興奮で鼻孔を膨らませているこの男は、誰がどう見ても変質者だ。




やれやれと肩を落とした私は、パーカーのチャックをさっさと下げた。



一番下まで到達したと同時に、左右に開けていくパーカー。



そこからやっと紫外線の下に晒された水着を見た相手が、片手で顔を覆いながら飛び跳ねた。




シンプルに反応が気持ち悪いな。





「う、嘘だろ…ビキニじゃねぇのかよ。」




口をパクパク金魚のようにさせて、指の隙間から私の身体を舐め回すように視線を射す。





どうした、何で地上で溺れてるんだお前。


レスキュー、ここに溺死しそうな男がいます。





「だってビキニって…露出多くて恥ずかしいじゃん。飛鳥と夢月に見られると思ったら照れ臭くって…。」


「俺に対して照れろよ。」


「それな。」




どうしてあの二人が一緒に来る前提の水着選びしてんだよ、さては貴様もグルだな!?!?と突っかかられて、非常に納得がいかない。




暴走族なんてとてつもなく大きいグルを作ってるお前にだけは言われたかないよ。

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