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第65話

燦燦と照り付ける太陽が、白く輝く砂浜に反射してとても眩しい。




余りの眩しさに細めた目でも美しいと認識できるのは、大きく広がる碧くて透き通った海。




海底の砂が透けて見える程の透明度と、キラキラ光る水面に無意識に「綺麗…」と感嘆の声が零れ落ちる。





いかにも夏。



まさに夏。



とっても夏。





高い気温を肌で感じながら、人生で初めて学生の夏休みっぽい場所にいる自分に気分が高まる。






「きゃっ…。」


「何でお前等がいるんだよ!!!!!!」





被っていた麦わら帽子が吹き付けた南風に攫われて、慌てて追いかけようとした瞬間、遥か向こうに望める水平線にまで到達しそうな程にでかい声が海岸を駆け抜けた。





「良かった、間に合った…。」





遠くまで飛ばされずに命拾いした帽子を拾い上げて、ツバに付着した砂を軽く手で払う私の視線の先。



そこにはもう海パン姿になっている男が、脱力したように砂浜へ崩れ落ちていた。





「クソっ!クソっ!!!お前等絶っっっ対に真白の水着目当てだろ!!!!知ってんだぞ俺は!!!!お前等の下心なんざ丸見えなんだよ!!!」





悔しそうに砂を握りしめては、近くに投げ。握りしめては、近くに投げ。



分かりやすく嘆いているその男は、残念ながら私の恋人。




その恋人の目の前に並んで立っているのは、4人の男。

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