第15話
美形と美形に挟まれ、しかも私が取り合われていると思われるこの状況。
正直に言いましょう、最高に優越感に浸っています。全然悪い気はしないよ、いいぞもっとやってくれ。
まぁ、冷静かつ客観的に見れば、夢月と剣には手入れされた薔薇と道端でも適当に生える雑草くらいに品格に差がある。
花咲学園の生徒会と、開花高校の問題児。
麗龍の総長と、虎雅の総長。
東の支配者と、西の支配者。
どの肩書をとっても、この二人が仲良くなる気配はプランクトンよりも目に見えない。
花咲学園の生徒会に属しながら、開花高校の問題児にまんまと恋をしてしまった私。
正直、こうして剣と恋人関係になれば夢月との今までの関係は全て崩壊してしまうんじゃないかと不安もあった。
鈴や蘭や聖架にも見限られてしまうのかなっていう恐怖もあった。
「真白、エアコンで身体が冷えたらいけないから俺のカーディガンで申し訳ないけど軽く羽織っててね。」
少し肌寒さを感じて両腕を擦る私に気づいたのか、薄手の羽織り物を私の肩に掛けて微笑む夢月。
カーディガンからは、彼の甘い香りが漂っている。
昔から変わらず、この人は本当に童話に出てくる王子様みたいだ。
あんなに不安になっていたというのに、私と夢月の関係は崩れる事なく今もこうして昔のままでいられる事が凄く嬉しい。
「あん?俺以外の男の服を借りんじゃねぇ。俺のを着ろ。」
「心が狭くて醜いね鬼帝君。全くもってクソ野郎じゃない。」
「お前とうとうドストレートに暴言吐きにきやがったな!!!」
そして、仲が良いとは決して言えないけれど、東の麗龍と西の虎雅が衝突する事なく、普通に顔を合わせて会話できるような環境と関係に収まってくれた事が、何よりもありがたい。
だって、最高の目の保養でしかないじゃんね?
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