第11話

ある日の放課後。


図書館で勉強をしている二人を見掛けた。

なんとなく顔を合わせるのが気まずくて、今回は素通りしようと思った。


けど、紫暮くんと目が合ってしまった。



「あ、瑠華ちゃん」


「ん?あ、幼馴染みの?」


「あっ、どうも」



流石にバッチリ目を合わせてから声を掛けられてしまったらスルーも出来なくて。ペコリと頭を下げて近寄る。



「はじめまして?かな、結本愛莉です」


「はじめまして、です。天瀬瑠華です」



そこで初めて私は結本愛莉さんと対面した。

ふわふわと笑う先輩はふと見ただけでも可愛い人だなって思って、勝手に傷付いてしまう。

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