第1話

朝、いつものようにけたたましいアラームに起こされて支度をして、学校に行く。


そんなありふれた日常。



「ぎゃあ!ウソでしょもうこんな時間!?寝過ごした!」



いつもならご飯を食べている時間に起きちゃって、寝起きから真っ青になりながらドタバタと起き上がる。どうやらアラームを止めて二度寝しかけていたみたいだ。


今日はお父さんもお母さんももう仕事に行ってしまっている。昨夜の時点で、今日は出るのが早いというのを聞いてはいた。


寝坊しないのよ、なんて笑っていたお母さんに、そんなことしないよ!と笑って返したけれど。まさかのまさか、ちゃんと寝坊だ。



「朝ごはんとりあえずお茶漬けでいいかな!?いいね!?昼までなんとか持つでしょ!」



しかも、どうしてかそんな日に限って後頭部の寝癖が治らない。洗面所で格闘してる間に時間は刻一刻と過ぎており、そもそもスタートが遅れてるためにギリギリだ。


電車の時間があるためこれ以上粘れないと、ぴょこんと跳ねた髪をそのままに、服を着替えて最低限の支度をして、家の鍵を締めた。

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