第4話

私の家の隣に佇む豪邸。



純和風な屋敷の我が家とは違い、まるで世界史の教科書に載っていそうな西洋のお城のようだ。



そこに住んでいるのが、私の王子様。




歳は一つ上だけれど、幼い頃からずっと一緒にいてくれた優しい王子様。




長身に、長く伸びる脚。


少しだけ垂れた目と、真っ直ぐ通った鼻筋。


男の子なのに唇はいつも紅を乗せたかのような、鮮やかな赤。



それだけでも十分綺麗な容姿だというのに、極めつけに左の眼尻にある泣きぼくろ。



神様に愛され過ぎた人だと思う。



軽く流しただけの頬にかかる髪。


高校に入学したと同時にセピアアッシュカラーに染めて現れた時は少し驚いたけれど、似合わないわけがないし、寧ろ今では彼だけの為にそのヘアカラーが開発されたと思っている。本気で。



どれだけ染めていても、しっかりケアされているのかいつも彼の髪は艶がかって綺麗だ。




王子様。



寸分の狂いもなく王子様。しかも色気のある王子様、何それ最高。




そんな王子様は私の幼馴染。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る