第5章︰姫と言う立場
第82話
巴衛side
あの日、蒼虎の人達になんとか認めてもらい蒼虎の“姫”になった私達。
あれから早くも数日が経った────
「…またか」
ガタリと下駄箱を開ければ、そこには複数の手紙。内容はラブレターなんて浮かれるものじゃない。
“ 脅迫状 ”。
初めて見た時も思ったけど、なんてベタな。
『死ね!!ブス!!!お前みたいなのが榊様達の姫なんて認めないんだから!!!』
顔も知らないアンタなんかに認めてもらわなくて結構。
『可愛くも無いくせに、何様なの?』
強いて言うなら…巴衛様かな???
『なんならお前ら消してやろうか??調子のんな』
消されないから大丈夫。調子にも乗ってないから。と言うか、消すって何?殺すの?犯罪者になるの?理解出来ない
美織の下駄箱にも入ってた似たような手紙を抜き取り、自分の鞄に入れる。帰って捨てるのだ。
学校のゴミ箱なんかに捨てたらめんどくさい事になりそうだからねぇ…。
「にしても、…行動が幼稚だよなぁ」
「あ、巴衛。…どうしたの?」
下駄箱前で突っ立って呆れてると、美織に肩を叩かれる。私はそれに、何食わぬ顔で何でもないと答えて教室に向かった。
そして、それを影から見る人影。
「イキナリ私達の蒼虎の姫なんかになるなんて…!誰もが憧れるその場所に、ぽっと出のお前らが居座るだなんて────認めない」
ギリ、と歯軋りの音がした。
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