第4章:2人の姫

第70話

巴衛side




私達が姫になると決まってからすぐ、篠宮に蒼虎についての説明を受けた。先に説明してくれよって感じだけど、なってしまったもんは仕方ないなと割り切ることにした。


まあ、赤猫として活動するに当たって暁さんからこの辺の族に関してはある程度聞いてるから知ってることしか聞かなかったのだけど。




「挨拶ゥ?」


そんな中、出たのが“姫からの挨拶”。



「はい。蒼虎の姫になるという事は、蒼虎の皆で“守る対象”になるということですので、その顔合わせの様なものです」


「とても不安しか感じないけど?」


「まぁ、そうですね。唐突な話なので反対する方もいるでしょうねぇ」


「でしょうねぇ…って。




…それより、美織!アンタは榊とイチャつくより話を聞きなさい!?」



ナチュラルに榊の膝の上に普通に座らない!!



「え??いちゃついてないよ!!

…あ、挨拶…だっけ?」



キョトンとした顔も可愛いね美織!

じゃなくて!



「そう、挨拶。

私たちが“蒼虎の姫”だってことを、蒼虎の皆さんに知らせるんだって」


「へぇ~、お友達増えるかな?」



にこにこ、と嬉しそう。



「……はあ、美織がそんなのは今に始まった話じゃないか。まぁ、美織がこんな感じだから別にやってもいいけど…大丈夫なの?」


「…何とかなる」




美織の髪を弄りながらこちらに視線を寄越した榊。

…まぁ何とかなる、のか??



とりあえず美織の髪から手を話して欲しいなぁ…!

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