第52話

澪side




僕は篠宮 澪(しのみ れい)。この街を仕切る暴走族、蒼虎の副総長を務めさせてもらってます。


先程、夜の見回りをしていると女の子2人が悪羅の下っ端に襲われていたと情報が入り、そこへ駆け付けたのですが。



そこには、既に倒れた悪羅の奴等がいた。


「…これは…?」




まぁ、それは後で考えるとして。

…我らが総長が、1人の女の子を抱き抱えてます。嫌な予感がします。




「…志都、その子は?」


「倉庫に連れてく」


「馬鹿ですか貴方は」



ああ、思わずツッコミを入れてしまった。全く突然何を言い出すのやら。頭痛くなりますねぇ、この俺様には。

と言うか、倉庫に連れてくということがどういう事なのか分かっているんですかね。



「で、連れてってどうする気です?」


「姫にする」



…は??

即答ですか。もはや唖然する間も無いですよ。



「姫、ですか?これまた唐突な。頭大丈夫です?」


「あ?正常に決まってんだろ

姉さんを呼んでくれ。着替えさせる」


「…分かりましたよ。好きにしてください」




この横暴さには、もはや溜息しかでません。


さて、志都のお姉さん、蜜日(みつび)さんを呼んでおきますかね??

流石に男が着替えさせるのは悪いと思ったのでしょう。その辺は常識的で嬉しいですよ、志都。





「…変なこと考えてるだろ」


「いえいえ」


なんで分かったのでしょうか

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